2009年6月2日火曜日

金子みすずさん


 しばらく前に、子供たちをつれて図書館に行った時に、たまたま手にした詩集がありました。いくつか読んでみて、とても優しい詩だったので、借りて読みました。哀しい歌もあるのですが、とても優しい気持ちにしてくれる詩です。
 みすずさんは、明治から昭和にかけて生きた方です。幼いころに父を亡くし、弟も養子に出され、母親も再婚して、16のみすずさんは母親とも離れて暮らさなくてはいけなかったようです。結婚生活もうまくゆかず、離婚し、一人娘とも別れることとなり、服毒自殺を図ったようです。26歳の若さでした。
 夢想家だったようですが、目に見えない世界を感じ取っていたようです。

 「山いくつ」

 町のうしろはひくい山、
 山のむかうに村ひとつ、
 村のあちらは高い山、
 それから先は知らないの。

 お山をいくつ、越えたなら、
 いつかの夢のなつかしい、
 黄金(きん)のお城が見えるでせう。

 みすずさんの詩を書く才能や感性は、神様からの賜物だと僕は感じました。
 僕は、みすずさんが天国に行けるように、イエス様にお願いをしました。以前は、フランスの女性彫刻家、カミーユ・クローデル(1864-1943)のためにも祈ったことがあります。彼女たちは、女性が芸術家として認められることが、今よりもずっと難しかった時代に生きた人たちです。
 だれも、決して完璧な人間ではありませんが、イエス様は私たちの弱さを思い遣ってくださる方だと信じます。きっとイエス様は、僕の祈りに応えて、彼女たちに救いの手を差し伸べてくださるでしょう。
 もうひとつみすずさんの詩を載せておきます。

 「みそはぎ」

 ながれの岸のみそはぎは、
 誰も知らない花でした。

 ながれの水ははるばると、
 とほくの海へゆきました。
 大きな、大きな、大海で、
 小さな、小さな、一しづく、
 誰も、知らないみそはぎを、
 いつもおもって居りました。

 それは、さみしいみそはぎの、
 花からこぼれた露でした。

 写真は、僕が撮ってものではありません。インターネットで見つけたものです。でも、この辺でも見つかるんじゃないかな。きっと、みそはぎを見るたびに、みすずさんのことを思い出すでしょう。
 神様の御国という大きな海の、一しづくのような自分ですが、あなたのことを覚えて、祈らせていただきましたよ。

1 件のコメント:

  1. 「私と小鳥と鈴と」は有名ですよね。
    結構前ですが、彼女の半生のドラマをやっていました。
    今でこそ評価されていますが、苦労の絶えない人生で本当に大変だっただろうなぁ・・・昔の人はやっぱり強いな、と思います。

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